2026-03

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静寂の意味

第五章 静寂の意味 二十七人が目を覚ましたのは、黒田たちの船がその空間に入ってから二時間後だった。 全員が健康だった。体の状態は何一つ変化していなかった。栄養も水分も、どこかで補給されていたらしく、飢えも渇きも感じていなかった。 しかし全員...
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光の向こう

第四章 光の向こう 軍の艦艇が黒田たちの船を制止しようとした。通信が入った。「直ちに停止せよ。これ以上進めば強制排除する」という命令が、繰り返し送られてきた。 黒田は通信を切った。 前方の光は、近づくにつれて大きくなった。光は揺れていた。波...
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信号の源

第三章 信号の源 黒田が電力ログの数列を航法局に報告した翌日、局から緊急の連絡が来た。 「その数列を、他の場所でも確認している」という内容だった。 過去三年間に通信断絶が起きた宇宙船が、オリオン・ゲート7を含めて四隻あった。そのうちの二隻に...
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ゼロ区画

第二章 ゼロ区画 黒田が調査報告書の第一稿を航法局に送ったのは、発見から九十六時間後だった。 報告書には技術的な所見を中心に記した。電力異常のログ分析、船内各所の状態記録、乗組員の個人データとの照合。しかし電力ログの数列については、報告書に...
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静寂の航路

静寂の航路第一章 漂流記録 宇宙船「オリオン・ゲート7」が通信を絶ったのは、木星圏外縁部を通過してから十四時間後のことだった。 宇宙航法局の記録によれば、最後の通信が入ったのは二〇六三年の三月十一日、午前三時二十二分。乗組員七名全員が記録上...